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『のぼうの城』和田 竜 名将か愚将か?

のぼうの城のぼうの城
(2007/11/28)
和田 竜

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皆様、秋の夜長をいかがお過ごしでしょうか。読書の秋ははかどってますか?それとも食欲のほうがはかどってますか?ホント何をするにもいい季節ですね。

私はいつものように読書に没頭する秋ですが、せっかくの読書の秋なんだから、いつものように「びじねすぼん」ばかりじゃなくて、たまには文芸書のほうも読んでみましょうか、ってことで手に取ったのがこちらの一冊。「のぼうの城」。

だいぶ前から気になってはいたのですが、ようやく読みました。昨年末に発売されてからこれまでで約20万部を売り上げているロングセラー作品で、各方面で大絶賛とのことです。漫画化もされるみたいですし、映画化?も話が進んでるとか、いないとか。。

あらすじを簡単に言うとですね、天下統一を目前にした豊臣秀吉の軍勢が関東の北条氏に攻め入る頃のお話し。小田原城をはじめ数々の支城が陥落、開城を続ける中、石田三成が2万の大軍を持って攻めこんだ、百姓を含めた2千足らずの兵力の「忍城」。しかしこの「忍城」は、抵抗を続け、三成の水攻めをも攻略し、豊臣方を撃退し続け、ついに最後まで落ちることはなかった。

そして、そんな城の主は、これといった取柄もなく、動きものろく極端に不器用で、ただ体が大きいだけが特徴で、百姓からもでくのぼうの意味で「のぼう様」と面と向かって呼ばれる成田長親であった。。そんな無能な「のぼう様」がどうして、豊臣2万の兵を撃退できたのか…。という話しです。

はい、この設定の段階で、なんだかもうかな~り気になりません?男心をくすぐられる設定ですよね。面白くないわけがないですよそんなもん。よくぞまぁこんなところに目をつけたというか、おいしい話しがあったというか。

豊臣秀吉は城攻めの名人と言われていて、秀吉の手にかかって落ちなかった城はないというぐらいの腕を持っていて、今回戦を統率するのはその秀吉の薫陶を受け続けた石田三成ですよ。

で、そんな三成に無能なのぼう様がどうして城を守れたのか……、気になりますよね~。でも、、、読んでのお楽しみってことであえて、ここには書きません。しかし人の上に立つ人の資質として、こんな風変りなヒーローもいるのだという新鮮な驚きが必ずそこにはあります。特に水攻めを攻略する際ののぼう様の秘策?の下りは必見です!

一つ言えることは、「利」で形成された集団と「信」で形成された集団の違い、そして「信」で形成された集団の上に立つ者は決して有能なだけではいけない、もしくは決して有能でなくても構わない、ということです。

秀吉や三成は金が人を動かすと言うことを芯からわかっていて、商人のような感覚を持っていた大名でした。もともと西方の人は商いに強いですけど、それゆえ「利」でつながった集団を形成することがてっとり早い。「利」つながった集団は、頑張った先に自分が得をするという状況があれば、驚異的な強さを発揮するものの、こと状況の変化で「得」という概念が消え去れば集団としての機能を果たさなくなります。

逆に「利」ではなく「信」で形成された集団というのは、上に立つ人の信念がブレなければ常に強固な集団として成り立ち続けます(絶対に勝つという意味ではないですが)。そしてこれは集団によって違う特質や思想の違いで、上に立つ人の必要な資質というものは変化するものであり、ある意味奇跡的な再現不可能な集団だともいえます。

今回の本はそんな奇跡的な集団の中の更に奇跡と呼べるような、集団象の物語と言えます。

まぁ史実をもとにしているとはいえ小説なので、かなり綺麗なまとまり方をするというか、敗者はそこになくみんなが勝者(しいて言えば長束正家が全部悪者になってますけど…)というような引っ掛かりのない結末が逆に若干違和感を感じなくもないですが…。

のぼう様が結局最後まで名将なのか愚将なのかは結論を与えてくれませんが、これは読者がそれぞれ想像してみてください、ということなのでしょう。読後にいろいろと考えを巡らせざるをえない感覚が残ります!

後、関係ないですが漫画タッチの長親の顔のアップと、水攻めを思わせる中央で黒と青に二分されるカバーのイラストが歴史小説っぽくない新しさがあり、個人的には結構好きです。あと水攻めだけでなく長親の2面性も表してるのかな?と想像してみたり。。。それは深読みしすぎですかね…?

どうしてもこういう歴史小説は司馬遼太郎作品と比べてしまうので、司馬作品のような深みは感じられないかな、と感じてしまいましたが、それでも好奇心を掻き立てるストーリーと長親のキャラが、一気に最後までページをめくらせてくれます!歴史小説好きはぜひ一読を!

作者の2作目↓
忍びの国忍びの国
(2008/05)
和田 竜

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