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誰もが呪われた存在-『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』

呪い…。呪われた宿命…。

まったくもって穏やかでないんだけどさ、でも実はみんな「呪われた存在」なんじゃないの…?

オスカー・ワオの短く凄まじい人生 (新潮クレスト・ブックス)オスカー・ワオの短く凄まじい人生 (新潮クレスト・ブックス)
(2011/02)
ジュノ ディアス

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ワールドワイドかつ超ディープなサブカルのエッセンスと、ドミニカの歴史の暗部・独裁者トルヒーヨ時代の悲劇が混じり合った、中南米のレベルミュージックみたいな濃密で雑多でポップな作品。筆者のサブカルに対する造詣の深さはもはやチリのサンホセ鉱山ばりでしょ。

文字どおり凄まじいよ、この小説…。セリフも妄想も回想も感情も風景描写もメタファーも、全てが渾然一体の、一つの文字の塊になって脳天に打ち突けてくる。

一般的な小説の文章の形式を全く無視した構成…。そうか確かに人間が生きていて体験し知覚することの全ては、明確に分けられることなんて何もないんだよな。むしろセリフは必ず改行とか、そんなもののほうがむしろおかしいとか思えてくる…。

誰もが呪われた存在

読んでて、一人の人間として一生を生きるとき、多分誰もがみな「呪われた存在」なんだと気付いた。「生きてるだけで丸儲け」ってことばがあるけど、裏を返せば、「生きてるだけで丸災厄」なんじゃないかと。

傍かりゃ見りゃなんでもなくても、当人にとっては生死にかかわる問題と思えるぐらいのコンプレックスや、人間関係・家族の悩みを抱えていたりする。あるいは生きていれば必ず突然の悲しみにぶち当たったりする。誰にでもそういう話は当然のようにあって、それって全部、生きてれば必ずつきまとう「呪い」でしょ。

その「呪い」「呪われた境遇」を超越するには、多分、書くこと。これしかないんだよ。書くことと言っても別にペンを持って紙に文字を書き連ねることだけじゃない。人によっては描くこと、話すこと、歌うこと、奏でること、踊ること、走ること…なのかもしれない。つまりは表現するってことなんだ。はじめはちょっとしたきっかけかもしれない。それでも続けているうちに内面で小さな変化が少しずつ波及していって、あるとき「これでいい」って確信に変わる瞬間があるんだよ。その表現が、外部に対して影響力を持っていようがそうでなかろうが、ここではあまり関係がない。

主人公のオスカーは、オマエよく生きてるなと思えるほど、ちょっとあり得ないほどのコンプレックスの塊。でも最後の最後まで書き続けたし表現しつづけた。だから呪われた自らの境遇を超越しちゃってたし、最後のほうなんてちょっとカッコいいとかすら思っちゃう。

もっといえば、他でもないこの作品の筆者こそが、自らの呪いを振り切るためにこの小説を書き、こんなに新しくて濃密な作品を生み出した。

とある呪われた一族にまつわるフィクション、と言ってしまえば簡単だけど、実は読んだ人すべての人にとっての呪われたノンフィクション、でもあるんだよねー。いや~凄まじいっす。

筆者の前作↓
ハイウェイとゴミ溜め 新潮クレストブックスハイウェイとゴミ溜め 新潮クレストブックス
(1998/07)
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