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「受信」という「発信」‐『わたしのはたらき』西村 佳哲

2012年になってだいぶ経ちますが、皆さん明けましておめでとうございます。

新年一発目のエントリーは昨年の一発目のこの記事と全く同じパターンを踏襲し、仕事・はたらきについて考えてみるための本の紹介を。

わたしのはたらきわたしのはたらき
(2011/11/30)
西村 佳哲

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働き方研究家の西村佳哲さんが奈良で開催されたイベント『自分の仕事を考える3日間』から派生した書籍シリーズ3部作。そのラストを飾る一冊です。

前作・前々作同様ゲストへの個別のインタビューと、イベントでゲストが実際に話された内容を編集したもので構成されています。

人は受信して生きている

このなかでとりわけ印象に残ったのは、『逝かない身体』を書かれ、現在はNPO法人さくら会の理事をされている川口有美子さんの話でした。
逝かない身体―ALS的日常を生きる (シリーズケアをひらく)逝かない身体―ALS的日常を生きる (シリーズケアをひらく)
(2009/12/01)
川口 有美子

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実のお母様がALS(筋委縮性側策硬化症)という、筋肉が委縮していって動けなくなり最終的には呼吸ができなくなってしまう神経系の難病を発症されました。ALSは脳死とは違って、頭はしっかりしていて耳も聴こえ内面には感情も豊かにある。しかし筋肉を動かせず表現ができないので、閉じ込め状態に至ってしまうそうです。そのお母様との12年にわたる介護の経験を経て実感された、ご自分とお母様の「はたらき」について語っておられます。

動かなくなってしまっても、よく観察すれば、皮膚の状態も、色も、毎日変わってきている。興奮すると赤くなるし、涙が出たり、熱が出たり。あと心拍数ですよね。怒ったりストレスを感じれば血圧が上がってきてドキドキしている。毎日記録しているうちにわかってきた。閉ざされていると勘違いしていたけど、母は結構発信していて。

― 拾えていなかっただけ。

うん。「母は惨めだ」と思い込んでいたと気づいた。そうしたら、受信できるようになってきて。

能動的ではない人間は生きている価値がないと思い込んでいるだけで、受動的な世界の方が実は大きいということが、わたしわかってきた。人間って受信できれば生きていられるんですよ。(中略)そして受信した本人は身体ですごく表現する。最後まで。まわりにいる人たちの感性が敏感ならそれは十分に受け取れる。本人が話せなくても、わたしたちがそれを受け取って言語化する生活にしてゆけばいい。

受信する母を、受信する娘。お母様が全く動けなくなっても日々受信していることを、川口さんは受信によって発見されたのです。

たとえ発信する力を持たなくても、生きて受信しているだけで、その存在自体がすでに何かのはたらきになっている。 その人にしかできないはたらきがある。

「受信」や「受ける」「キャッチする」ということは「発信する」ことと比べて劣っているようにさえ思われているかもしれない。でも「発信」は実は「受信」に含まれていて、「受信」自体が既に「発信」になっている。そこに優劣なんてものはない。「受信」したものをただ素直にそのまま表現すればいいのではないか。そんな気づきを起こさせてくれます。

発信する力を持たない人への、わたしのはたらき

自分に引きつけて考えるなら、やはり「再就職支援」という仕事に関わっている中で、川口さんも文中で触れているように、求職中の人や転籍などで社外転出せざるをえない人々のことを重ねてしまいます。

会社の経営状況によって、切り捨てられるように放り出された人々。日々接している中で「自分は必要のない人間なのか…」、「本当に自分のせいというだけでこうなったのか…?」そうした言葉になる以前の、もやもやとした感情・葛藤のうごめきが見えてきます。

個人的にも、ずっと自分が特別な表現手段を持たないことへのコンプレックスを感じていました。いつも人の表現をただ受信してるだけじゃないかと。何も生み出せてないじゃないかと。

「本人が話せなくても、わたしたちがそれを受け取って言語化する生活にしてゆけばいい。」という川口さんのことばが、そんな「受信ならできるのに…」と感じている自分自身のはたらきを見つめるうえで、とっても大きなヒントになりそうです。

自らの自然な感覚で受け止める

本書で取り上げられている川口さん以外のゲストも皆、「受信」に敏感な人たちなのです。自らの自然な感覚に従って何かを受信し、自分のはたらきを突き詰めていっている。

そこには世間一般の、会社に入って、売り上げはいくらで、マーケティングをどうして、生産性を高めて、何を目標にして、達成度はどうで………、などという思考の枠組みは存在しません。

常識的な思考から自由になってみて、タイトルの『わたしのはたらき』が示す通り、シンプルにゼロから自分の仕事・働き方について考えてみる。そのために本書で8名のゲストが発している自然な感覚に触れてみるといいかもしれません。

ただ自然に、そこにある本

本書はこれまでの前2冊とは少々勝手が違います。 この本からは何かを人に訴えかけようという能動性があまり感じられません。具体的には西村さんのまえがき・コメントが少ない。極力省いているようにさえ思えます。ただ、聞き手の西村さんが受信した何かがポンッとそこに提示してあるだけなのです。自然に本という形になって、自然にそこにあるといった趣きで、本のあり方そのものが受動的といっていい。

そんなようなことを「受信」せずにはいられなかった、なんとも自然な一冊でした。

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『自分をいかして生きる』西村佳哲 今この瞬間の衝動に従う

『自分の仕事をつくる』西村 佳哲 「つくり方をつくる」から始める

『自分の仕事を考える3日間』シリーズ前2作↓
自分の仕事を考える3日間 ・I自分の仕事を考える3日間 ・I
(2009/12/22)
西村 佳哲

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みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?
(2010/12/01)
西村佳哲

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