You are not Logged in! Log in to check your messages.

Check todays hot topics

Search for Services:

Please Log in

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

そしてまた歩き出す‐『その街のこども 劇場版』

もうすぐ17回目の1・17。そしてその先には3・11がやってきます。

何年たっても恐ろしいことがあったその日がくれば、嫌でもそのことを思い出すでしょ。だからその前に観ておいた方がいいかなぁと思う作品の紹介です。

その街のこども 劇場版 [DVD]その街のこども 劇場版 [DVD]
(2011/06/03)
森山未來、佐藤江梨子 他

商品詳細を見る


この映画は一昨年の1月17日、阪神・淡路大震災から15年経った日にNHKで放送された特別ドラマをもとにしてつくられた劇場版です。森山未來さんと佐藤江梨子さんの、どこからどこまでが脚本で、どこからどこまでがアドリブなのかもよくわからなくなる超ナチュラルな演技が見どころ。二人とも実際に神戸出身で幼い頃に震災を経験し、作品中でも二人の年齢設定は本当の年齢のまま。フェイクドキュメンタリーとも言い難い。ドキュメンタリーとフィクションとノンフィクションの境界線がよくわからなくなるぐらい虚実が入り混じった演出で、とてもスリリングさを感じさせます。また、音楽は全て大友良英さんが手がけています。

あらすじを簡単に言ってしまうと、95年の阪神大震災を経験した2人の男女が、偶然に出会い一晩かけて神戸の街を歩く。初めはかみ合わない2人が徐々に肩の荷を降ろしてそれぞれの心の闇を開示し、過去の傷を乗り越えていく、という話です。

こどもの頃の理不尽な体験は、こどものまま凝り固まってしまう

震災だけに限らず、こどもだった頃に何か理不尽な経験をしてしまった人は、受けとめてしまった感覚のその部分だけが、時間が止まったままずっとこどものままなんです。心理学的には「乖離」と呼ばれる心の中で自分を守ろうと壁をつくって閉じ込めてしまう作用を起こす。それは死者の時間がそこで止まってしまうように、生きて大人になっても、その感覚だけはこどものまま時間が凝り固まってしまっている状態なんです…。

それを乗り越え時間の歩みを進めるためには自分でそこに真正面から向き合わないといけない。でも、一人じゃなかなかそれはできないんです。できないから蓋をして閉じ込めちゃうわけで。

そしてまた歩き出す

そして自分と向き合あう力を得るためには、他の誰かの助けが必要なんです。

助け、というよりも、誰かの存在、ってだけでいいのかも。ただそばで一緒に歩いてくれる。それだけで殻を突き破るきっかけになったりする。全くソリの合わなそうな人間であっても、ときに自分の心を写す鏡になってくれたりもする。そうやって人と心の底で交流ができたとき、人はよくやく前へ歩き出せる。

かっての震災の地を、真っ暗な夜中に歩いている2人。白々と夜が明けてくるのに呼応するかのように躍動感が加速していく2人の歩み。こうして1995年の1月17日で止まっていた時計が動き出すのです。

同じ現象が、違ったものに感じられる

心の傷を負った人に対し、周りの人間はどうすればいい、なんていう答えなんてないです。それでもなお、ただ一緒に歩く。たったそれだけで同じものが全く違うように感じられるきっかけになるのかもしれない。

映画の冒頭、いきなり時報の音がけたたましく鳴りだすところから始まるんです。その時報がとにかく怖くて、いきなり掻き乱される。しかし円環構造になっているラストで再び時報が鳴り響くとき、全く同じ時報の音なのに、冒頭とは全く違ってとてつもなく温かくて優しい気持ちに浸りながらそれを聴くことになります。

その感覚を味わってもらうだけでも一見の価値のある作品ではないでしょうかね。
スポンサーサイト

COMMENT

管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK

トラックバックURL:

    (copyボタンはIEのみ有効です)
« | HOME |  »
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。