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長友に受け継がれるモウリーニョスタイル-『モウリーニョの流儀』片野道郎

いや~長友、遂にインテルでデビューを果たしましたね~!

とりわけホームスタジアムのサンシーロ(正確にはジュゼッペ・メアッツァ)には思いれが強いので、あそこをホームにするチームに日本人が在籍しているなんてのは、今でもにわかに信じがたいものがありますよ。

インテルのホーム・サンシーロ(ジュゼッペ・メアッツァ)についてのエントリー↓
世界のサッカースタジアム紀行 サンシーロ(ジュゼッペ・メアッツァ)・イタリア

で、その長友とも決して無縁ではない男、昨シーズンまで2年間インテルの監督を務め、現在はレアル・マドリードの監督を務めているジョゼ・モウリーニョ。彼についてのこんな本を読みました。

モウリーニョの流儀モウリーニョの流儀
(2009/09/03)
片野道郎

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この本はモウリーニョ自身によってではなく、イタリア在住の日本人記者によって書かれたものです。しかしながら、それ故に、主対象となっているモウリーニョとイタリアサッカーの2つのファクターそれぞれに程よい距離感があり、非常にフラットな客観性を持って書かれています。そのため思った以上に読みやすく、その筆者のバランス感覚は見事という他ありません。

モウリ―ニョといえば昨年、長くCLで勝てなかったインテルを就任二年目で初制覇に導き、国内リーグ、カップ戦と併せて3冠制覇という偉業を成し遂げたのは記憶に新しいところ。

いわずと知れたサッカー界でも最もデキル男すなわち名監督の名をほしいままにしています。本書はインテル就任一年目のシーズンを終えた時点でのイタリアでの一年を総括したものであり、その後のCLの功績については当然触れられていません。

しかし何故翌年CLで勝てたのか?その布石が十分本書から読み取れます。そして何故イタリアを去ってしまったのか?も、容易に想像がつくのです。

(1)ゆるぎない確固たる信念

これほど困難で競争の激しい世界を生き抜いていくのに、自分より優秀な監督がいると考えることはできない。自分の仕事に取り組むときには、誰に対しても何に対しても恐れを抱くことは許されない。リスクを冒すことを怖がってはならない。それが競争の世界で生きていくプロフェッショナルが持つべき人生哲学だ。

不遜な態度、激烈なまでの言動。モウリーニョにはこうしたイメージが常に付きまといますが、それは確固たる信念を持っていることの裏返し。厳しい世界の中で結果を出し続けるプレッシャーをはねのけるために己を信頼し抜くこと。世界No1監督のモウリーニョにとってはそれが自然体なのかもしれませんね。

(2)失敗への批判はしない

私はいいプレーができなかった選手を決して批判しない。外部からの攻撃からも徹底して守る。だが、チームのためにプレーしなかった選手は話が別だ。それは、私の仕事の本質がチームワークにあるからだ。

チームを顧みずにエゴ丸出しでプレーした選手には批判のみならず懲罰も厭いませんが、逆にチームのためにプレーしたのなら失敗しようとも批判はしません。失敗は絶対に非難しない方がいいと思う理由 - 読んだものまとめブログというブログにこんなことが書かれています。

失敗を一人背負った人は、周囲から白い目で見られて信頼を失い、その重圧に耐えられずに倒れていくような環境では、まともにリスクに向き合えるはずもありません。非難することは一人一人をバラバラにさせる行為でもあるのです。

こういう人間の心理を徹底的に理解しているのでしょう。どこまでもチームを優先するからこそ、チームを守る為に、チームのためにプレーした選手の失敗は全力で守るんですね~。

(3)世界で最も困難なリーグ、セリエAへの適応

チームは自らの置かれた状況に最適化することが必要だ。例えばチェルシーのサッカーではスペインリーグを勝てないし、バルセロナはプレミアリーグでは優勝できないだろう。それは監督についても同じことだ。私はセリエAで優勝したい。そのために、私は自分をイタリアという現実に最適化しなければならない。

世界で最も困難なリーグ、イタリアのセリエA。そこで自らの理想とするプレー原則、ピッチをワイドに使い、ディフェンスラインを高く保ちポゼッションを高めるサッカーを試みます。しかし上位から下位までどのチームも相手の分析・研究を徹底してくるセリエAでは、理想が通用しない。そうと悟るや否や、守備ブロックを深い位置で固定させフィジカルを前面に押し出したサッカーに変更してしまいます。

昨年のCLでも7人で守備ブロックを作り、ボールを奪って素早いカウンターという、スペクタルの欠片もない現実的なサッカーで優勝しましたよね。その時には、そのスタイルは?モウリーニョ・シンドローム?と呼ばれ、世界中にこうした退屈なサッカーが蔓延してしまうという批判も巻き起こりました。

しかしこれはセリエAという環境、そしてその環境の中で適応してきたインテルの選手たちに最も最適化させたスタイルなのです。モウリーニョ自身の本意ではなく、本来彼が理想とするサッカーとは別のものであることは、これを読めば一目瞭然です。

これこそが結果を残し続けるモウリーニョのしたたかさと言えますね。そして、自分の理想を曲げざるを得ない環境で結果を出した以上は、イタリアサッカーに留まる理由はないと考え、3冠達成の偉業を置き土産に2年という短い在籍期間でイタリアを去ったのでしょう。

こうして見ていくと、「モウリーニョの流儀」とは厳しい競争の世界を生き抜くための確固たるメソッドの確立と、しかしながら環境に応じた変化の柔軟性のバランス。「確固たる軸がありながら、しなやかである」二律相反する概念が同居している点こそが、モウリ―ニョという男の魅力の源泉ではないか、と感じられますね。

また、自分のことを「ロビンフッド」に喩えてもいましたが、まさにチームのために「強きを挫き、弱きを助ける」頼りになる存在という印象。逆に言えば見方でいればこんなに心強い存在はいないだろうけど、敵に回したら心底厄介だろうな~とか思う。

長友に受け継がれるインテルのスタイルの確立

どのクラブでも、10歳の子どもからトップチームまで、全てが同じサッカー哲学に基づいてプレーしている。私は、インテルはまだ、これがインテルのサッカーだというスタイルを持っていないと思う。CLに勝つためには、時間をかけてひつのスタイルを築いていくことが不可欠だと私は考えている。

この発言の翌年、CLを含めた3冠を成し遂げたモウリーニョ。選手のフィジカルとスピードを前面に押し出した現実的なインテルのサッカースタイルを確立したと最早言ってしまってもいいでしょう。

それが今、長友に受け継がれている……と思うと、本書を読み、彼がプレーする偉大なチームのバックボーンを知ることで、今後の彼のプレーがより感慨深く見れるようになるのかも~。

ジョゼ・モウリーニョジョゼ・モウリーニョ
(2006/02/28)
ルイス・ローレンス、ジョゼ・モウリーニョ 他

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