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ザッケローニの3つの「バランス」について考えてみた

サッカーのアジアカップで見事優勝を成し遂げた日本代表!その指揮を執るザッケローニへの賛辞をいたるところで目にします。

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今回のアジアカップ全体、または決勝戦の采配などから、ザッケローニを賛辞する論調は大きく3つに分かれるのかなぁというふうに思えたので、その3つをもうちょっと深く掘り下げてみようかと。

ザッケローニ賛辞の3つの論調
①複数の問題を一気に解決する采配
②選手との信頼関係構築
③選手からの提案を実際に取り入れる許容力


①複数の問題を一気に解決する采配

決勝の豪州戦で、MFの藤本に変えてDFの岩政を投入した采配。この采配には結果的に複数の相乗効果があったと言われています(今野をサイドに回したのは選手からの提案と報道されていますが、その辺りは後述します)。

例えばこのあたりでしょうか。
・ヘディングの強い岩政をCBに起用し、苦しんでいたロングボール対策
・今野を左SBにスライドさせ、長友を一列前の左WBに起用。結果的に決勝アシスト
・好調の岡崎を、慣れている右WGにスライドさせ岡崎の動き出しを効果的に引き出す
・機能していなかった藤本を交代
・フォーメーションを変更しなかったことで受け身な印象を与えなかった(ザッケローニ談)

サッカーにおける交代策は、ただ単に疲れた選手を交代させるだけのものでありません。

刻一刻と変化して行く試合の流れの中で、問題に対する具体的な解決策を講じると共に、攻めるのか守るのかなどのメッセージを送り選手たちを鼓舞することや、交代に合わせてフォーメーション変更することなども含まれ、いかに一つの交代に最大限の相乗効果がもたらせるかを検討した上での決断になるのです。

今回のような相乗効果が大きい交代策は、優れたクリエイターが生み出すアイデアのようなものだと言ってもいいかもしれません。スーパーマリオの生みの親・任天堂の宮本茂さんはこんなことを言っていたそうです。

「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」

ひとつ思いついたことによって、
これがうまくいく、あれもうまくいく‥‥。
それが「いいアイデア」であって、
そういうものを見つけることこそが、
全体を前進させ、ゴールへ近づけていく。
ディレクターと呼ばれる人の仕事は、
それを見つけることなんだって
宮本さんは考えているんですね。

任天堂の岩田社長が遊びに来たので、みんなでご飯を食べながら話を聞いたのだ。より

サッカー監督とは手駒の特性やコンディション等を把握したうえでそれらを状況によって組み合わせる即興的なクリエイティブ性を実は最も求められるのかもしれませんね~。

②選手との信頼関係構築

とりわけ印象的だったのは、決勝戦の試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、本田圭介が真っ先にザッケローニの元に走り寄り、がっちり抱擁していたシーン。本田は韓国戦の後「いつも自信を与えてもらって力になる」と言ってたけど、既にこの2人には強い信頼関係が構築されてるんだなーなんて思いました。

そう、選手と監督の信頼関係。お互いを尊重し合い受け入れる関係性こそがあって初めて選手は自信を持ってプレーでき、最大限に力を発揮することができる。

信頼関係構築って、そんなん当たり前だよ~って話ですが、これができないで思うようにチームを掌握できない監督だってたくさんいますよ。ましてや選手達は所属チームのエース級ばかりでプライドだって人一倍高いのですから、ザッケローニのそれは特筆すべきことと言えるでしょう。

信頼関係といえば最近読んだ『和解する脳』でも、裁判の時に無駄な争いを避けるために和解に持っていくための方法としてまず弁護士と依頼者との信頼関係が欠かせない、ということが書かれていて興味深かったです。

紛争というネガティブなパワーが渦巻く事象を和解にむけて収束させるには、最終的に法律に基づいた「理」の部分で整理する必要があるのですが、いきなり「理」詰めでいってしまうと感情的になってしまい全く受け入れてくれなくなってしまうそうです。なので初期段階では必ず「情」で、話を聴いて聴いて聴きまくり信頼してもらうことを何より優先して考えているそうです。
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池谷 裕二、鈴木 仁志 他

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ザッケローニは練習などでも常に選手個々の対話を行っているようです。マネジメントはもちろんカウンセリングでもコンサルティングでも、人や組織をより良い方向性に向かわせようとするなら対話を通じた信頼関係の構築は必ず抑えるべき基本中の基本ともいえます。

③選手からの提案を実際に取り入れる許容力

先ほど上でも述べた、藤本→岩政の交代時のおける今野→左サイドバック、長友→左ウイングバック、岡崎→右ウイングのポジションチェンジはどうやら選手たちからの提案だったという報道がさかんにされています。

人によっては「選手からの提案をいちいちのんでたら、監督いらないじゃんか!」と思われる人もいるかもしれませんが、現場の意見を吸い上げる事は実は脳科学的にも理にかなっていることなのです。

脳科学者の池谷裕二さんの著書『単純な脳、複雑な「私」』にこんな一文があります。

脳は、「自分よりも、〝体のほうが真実をわかっている〟という、その事実」をきちんと認識していて、だから、自分の感情や状況の判断に、「体」の反応を参考にしている

例えば怒りや恐れ、不安を感じる状況では脳が怒っているとか、不安だと感じるかなり前から心拍数が上がっていたり、手に汗をかいていたりするんです。つまり最初にものごとの変化を読み取っているのは脳=中枢ではなく、体=現場であり、脳は体の反応をみて状況を判断しているわけです。
単純な脳、複雑な「私」単純な脳、複雑な「私」
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池谷裕二

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これを脳=監督、体=選手と考えるとどうでしょう?監督が選手の意見や提案を受け入れて決断をすると言うのは脳が体の反応を見て判断するのと同じこと。言い換えれば現場主義。現場の意見を柔軟に取り入れて総合的に判断をくだすわけです。当然これをやる為には選手との信頼関係が無ければ成り立たないことは言うまでもありません。


こういった色々な要素の「バランス」こそがサッカー監督に求められる資質です。ザッケローニは就任当初、コンセプトは「バランス」を掲げていましたが、ザッケローニのリーダーシップとはあらゆる要素を調和させる「バランス」で成り立っています。

サッカー監督になったつもりでサッカーを観る。そんなことからも色々学べて面白いですね。サッカー監督目線の面白さが浸透したアジアカップでもあったのなら、また一つ違った視点のサッカー文化が成熟していると言えるかもしれませんね。

サッカーは、ある意味では、理不尽なボールゲームである。通常のビジネス同様、結果を出すための〝唯一の正解プレー〟などはない。だから、すべてを白紙にした状態で考察し、ベストだと確信できる組み合わせを得られるような発想の柔軟性を持つことが重要だ。監督には、チームの目的を達成するための実践的なバランス感覚が求められるのである。

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