ですが今回、映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」での初のマイケル体験がもうとんでもなさ過ぎたので、ならばドラッカー体験も!と手に取ったのが本書です。
そして、ドラッカー体験もやっぱり凄かった!ずっと捜し求めていた水脈を、遂に掘り当てたような歓喜の訪れです!
![]() | ドラッカー入門―万人のための帝王学を求めて (2006/09/23) 上田 惇生 商品詳細を見る |
ドラッカーの著書の翻訳を長年手がけてきた上田惇生さんが、これまでのドラッカーの数々の作品を総俯瞰し、エッセンスを抽出した一冊。ドラッカーといえばこの人!!というぐらいセットで語られる人物ですね。
本書を読んで最も興味深かったのは、ドラッカーが言っていること自体もさることながら、むしろそれを言うに至るドラッカーの認知過程を「ドラッカーは社会生態学者だ!」と評したところにあります。
ドラッカーが言及する事象は社会、政治、行政、経済、統計、経営、国際関係、アメリカ、ヨーロッパ、日本、宗教、歴史、哲学、倫理、文学、美術、教育、自己実現などありとあらゆる分野にまたがります。生態学は、生命体を見るように全体から事物を把握する。本来生態学とは見ることを指す。それは見て伝える体系である。(中略)それだけではない。生態学者は変化を見る。その変化が物事を変える本当の変化かどうかを見極める。その変化を機会に変える道を見つける。
これは、社会において起きる一つの事象はありとあらゆる分野の事象が複雑に関連しあい幾重にも折り重ねられながら生み出されるとして、全体を捉えることを徹底する生態学者のように社会を見たドラッカーたる所以です。
よく一つの分野を掘り下げるのでなく、どうも興味がいろんな分野に拡散していってしまう人、いません?
でも、それでいいんです。ドラッカーがそうだから。おそらく無意識に自分の生きている世界を、あらゆる分野全体をひとつのものとして収斂させて捉えようとしているからこそどうしても起きる自然な傾向なのでしょう。
もっといえば、ドラッカーの言っていることはあらゆることに例えられるってことなんです。人は皆、志向性が違うけれども、ドラッカーに触れると誰もが「これはオレのことを言っているっ…!」って思える。。
筆者なんてあとがきで
って言っちゃってるし…。本書は30年を越える付き合いの翻訳者が入門書としてまとめようとしたものである。
ところが、やはりドラッカーはドラッカーだった。客観的なドラッカー入門などありえなかった。出来上がったものは、ドラッカーが、それぞれのドラッカーであることをこれほどまでに明らかにするものはないと思わせるような、入門と称するにはあまりに主観的なものとなった。
絶え間なく変化する世界を捉えようと、全体を見て、普遍を掴もうとするのではなく、現在進行形として伝えるからこそ、むしろ逆説的にそれが普遍になるというプロセスが全てここに記されています。
やっぱりとんでもないですドラッカー!!!理論は体系化する。だが創造することはほとんどない。体系化とは整理分類することである。しかし社会は大きく変わっていく。社会科学のパラダイムは変化してやまない。加速度的に変化していく。
社会生態学は、部分の因果ではなく、総体としての形態を扱う。全体を見る。全体は部分の集合よりも大きいとは限らない。しかし部分の集合ではない。それは命あるものである。
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