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『空に唄う』白岩 玄 手の絵を描くならその周りの背景を描く

恋とか愛とか恋愛とか、そんな直接的な言葉を一切使わずに、それらの感情を深く呼び起こしてくれる物語だ。

空に唄う空に唄う
(2009/02/13)
白岩 玄

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前回こちらのエントリーでも取り上げた『野ブタ。をプロデュース』の作者・白岩玄さんの5年ぶりの最新作。お寺の住職である主人公と、亡くなってしまった同い年の女の子との不思議な関係を描いたストーリー。

いわゆる恋愛ものとして簡単にくくられてしまう話かもしれないが、特筆すべきはその一貫した間接的表現である。表現したいある恋愛の形をなす図形のようなものが存在するなら、その図形の形そのものを示すのではなく、その外側を描くことで、すっぽり抜け落ちた部分がその図形になっているのだ。

手の絵を描こうとするなら、手そのものを描くのではなく、その周りの背景を描く、ということを物語において実践している。

映画や小説などの物語において、受け手に一番伝えたい本質的なメッセージは、直接台詞や活字にしてしまうとどうしても安っぽくなる。あくまでも直接的な言葉ではなく背景・空気・感情の描写で示すことで感じ取ってもらう。それがより受け手の感情にメッセージを刻み込ませるのだ。

謙虚で優しい主人公の態度のごとく、物語全体に「何も主張してこない」控えめな空気感が漂っているが、それによって逆説的に主人公の感情が沁み込んでくる。

よく伝統芸能の職人は、弟子にその真髄を直接教えるのではなく、自分の仕事を見せることで弟子が自ら学ぶ、という育成方法を取る。自分で技を盗め、というやつである。

その感覚に近い、あくまで受け手が自分で感じ取りなさいという、謙虚ながらも少しだけ厳粛なたたずまいの物語。何も言わないそこには一体何が隠されているんだろう?とやけに気になってのめりこんでしまう間接的表現の面白みが広がっていたのであった。

作者・白岩玄さんと糸井重里さんの対談↓
ほぼ日刊イトイ新聞 - 糸井重里、若い作家と話す。

野ブタ。をプロデュース (河出文庫)野ブタ。をプロデュース (河出文庫)
(2008/10/03)
白岩 玄

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