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『デザインと死』黒川 雅之 人はつくりたいからつくる

「デザイン」と「死」という、一見結びつかなそうな2つの言葉が整然とタイトルに並ぶこの一冊。

デザインと死デザインと死
(2009/05)
黒川 雅之

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こちらの一冊は建築家・プロダクトデザイナーであり、実の兄にあの建築家・黒川紀章さんを持つ、黒川正行さんが書かれているブログ、曼荼羅紀行 黒川雅之のブログのエントリーを、一冊の本としてまとめたもの。

なんだ、だったらブログだけ見ればいいじゃん…、と思われるかもしれません。が、紙の白さと手触りの質感が、本文の内容の厳粛さをさらに増殖させ、更にそれによって行間からも伝わってくる何かがある、と感じさせる点で、やはり一冊の本として綴じることの意味が伝わってきます。

「デザイン」と「死」。この2つの言葉が繋がるカギは、人が生まれながらにして持つ「底知れぬ不安」。

母親のお腹の中にいた子供は、生まれる瞬間に巨大な忘れられない不安を体験している。それまで住んでいた空間は子宮の中。自分の体温と同じ温度の羊水に無重力で漂い、酸素を吸う必要もなく、物を食べる必要もない。安全に守られて理想的な空間だった。それが、突然、外に絞り出されるのだ。息をしなければ死ぬ。食事もしなくてはならない。体温はどんどん奪われる。重力場に置かれて自分の身体を支えていなくてはならない。
 この体験が人の底知れぬ不安を植え付けたのだろうと考えている。この抜け出せない生まれながらの不安を、人は人生のすべてで塞ごうとする。宗教もそうだし、芸術活動も友情も恋愛も、すべてこの不安のせいであろう。そして「つくること」も、ここから始まっている。つくる動機は「役立つ物が欲しいからそれをつくる」のではない。それ以前に、つくること自体が意味を持っていたのである。

この世に生まれてきた赤ちゃんは、生まれてきたことで「底知れぬ不安」、つまりは「死への恐怖」と言い換えられるでしょうか。そのようなものを絶対的に持って生まれるのです。その不安を塞ぐために、人はものをつくるだと…。

それは何もデザイナーや芸術家のようなクリエィティブな人たちだけでなく、誰もが行う自らの軌跡や感情を残そうとするような創作活動。例えばこんなブログや、日記や写真や俳句や詩などのようなもの。大なり小なりの創作活動の全てが、死への恐怖を塞ぐための、ある意味での本能的な行動なのでしょう。

改めて「死」を見つめることは、新たな始まりの一歩であり、自らがつくりだすものに奥行きをもたらせてくれる、尊い行為なのだと気付かせてくれる、なんとも言えぬ厳粛な雰囲気を持つ一冊です。

八つの日本の美意識八つの日本の美意識
(2006/07/22)
黒川 雅之

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デザインの修辞法 50keyworksデザインの修辞法 50keyworks
(2006/07)
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物学研究会黒川 雅之

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