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『そういうふうにできている』・『NHK「トップランナー」仕事がもっと面白くなる「プロ論」30』から読み解くさくらももこ。


小中学生ぐらいの時に自分が面白がって見ていたものを、今見返したりすると、新たな発見があったり、改めてその凄みに気づいたりすることってありません?

最近の私のそれが、さくらももこさんなんですよ。

そういうふうにできている (新潮文庫)そういうふうにできている (新潮文庫)
(1999/06)
さくら ももこ

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言わずと知れた国民的漫画「ちびまる子ちゃん」の作者さくらももこさん。

ちょっと前に、『そういうふうにできている』をふと読み返したんです。『そういうふうにできている』はさくらさんが赤ちゃんを妊娠して、出産するまでのドタバタを描いたエッセイ。これが出た時、確か中学生だったので、その時はふ~ん…男だしよくわからん…、程度にしか思わなかった本でした。が、今はちょうど奥さんが妊娠していることもあって、すごく可笑しく、なおかつ新しい発見もあり味わい深さもあり、興味深く自分のこととして読めてしまいました。

さくらさんの作品の重要な要素のひとつに「笑い」というものがあるのは、『ちびまる子ちゃん』しか見たことのない方にもわかって頂けるはず。自分とは違う命が誕生する神秘的な主題を描いたこの本でも、例にもれず「笑い」は満載。うちの奥さんの悪阻がピークの時、無理やりこれを読ませたら、腹を抱えて大爆笑。めったに本を読まない奥さんが、なんと2時間ほどで一気に読破してしまったというハマりっぷりを見せてくれました!悪阻でイライラする妊婦さんにも間違いなくお勧めできる一冊なんです。

で、その中でも自身の局部麻酔での帝王切開による出産体験を回顧しているところは、とてもとても興味深いのです。

局部麻酔により、身体の感覚は全くないのに、意識だけが研ぎ澄まされていきクリアになっていく感覚になったさくらさん。「意識が肉体からほんのわずかの距離に心地よく漂っている」とも評しています。そしてその状態から「心」と「脳」と「魂」の関係、という筆者が長年抱えていた問題の解決の糸口の発見に至っているんです。

さくらさんがどういう思考でこの問題に踏み込み、どういう結論に至ったのかは、非常に興味深いところなのですが、あえてここには書かないでおくことにします。興味のある方は本書を参照のこと。

で、それと同じか、むしろそれ以上に興味深かったのは、さくらさんの徹底的な「意識の客観性」なんです。簡単に言えば「メタ認知」。もっと簡単にいえば「自分をちょっと離れた所から見ているもう一人の自分の存在」、ということになるでしょうか。それをとにかく徹底的に意識されてる所が面白いんです。

たとえば分娩の手術を受ける際にさくらさんは

私が、「全身麻酔ですか?」と尋ねると医師は「いえ、局部麻酔ですよ」と言った。私は内心ニヤリとし瞼を閉じた。もしも全身麻酔だったら、一気に意識が遠のいて手術の感覚を体験できずに終わってしまうであろう。私は手術の感覚を体験したいのだ。だから局部麻酔が望ましい。

なんてことを言っているんです。

ほかにも手術後に痛み止めが薄れてきた際の痛みに対しても

“よし、これがピークなら我慢できるぞ”と思い、今度はこの痛みを冷静に観察することにした。

ズキンズキンという痛みのリズムに合わせて、今、自分の傷口はどういう状況になっているのだろうかと想像し始めた。

なんてことを痛がっている自分とは違うもう一人の自分がやっているんです。

女性が体験する痛みの中でも最もたる出産という行為に挑むにあたって、「感覚を体験したい」という超能動的で前向きな体験意識。これから起ころうとする未知の体験を恐れている自分を凌駕して、それすらも観察して描写してやろうとするこの姿勢。これこそがさくらさんの本質だと思ったわけです。。

さくらさんの漫画や、エッセイの中に立ち表れてくる、可笑しみと切なさの入り混じった人間的な描写の数々は、この姿勢から生まれるのだとわかってしまったわけです。便意を催してからの、カッチカチの便との1時間半に及ぶ闘いという、女性ならちょっと公にできないような出来事。それを、自らを“快便女王”と呼び、その快便女王を苦しめる“尻の穴の呼吸を止める悪魔の封印席”と名付けて壮大なバトルに仕上げる描写しかり、前述の神秘的な出産の場面しかり。どれも全て一貫しているのです。

少なからず偉大な作品を残す人というのはこういう視点をもっていることは間違いないんですけど、さくらさんの場合、ほんとに日常的な、誰もが見過ごすであろうちょっとした出来事から、痛み、苦しみ、のようなものまで自覚的・意識的に、もう一人の自分がそこになにがしかの意味付けを行っているんです。しかもユーモアをふんだんに盛り込んで。

と考えていたら、つい最近読んだ本にこれに関する本人のコメントが載ってたんです。

NHK「トップランナー」仕事がもっと面白くなる「プロ論」30 (知的生きかた文庫 え 13-2)NHK「トップランナー」仕事がもっと面白くなる「プロ論」30 (知的生きかた文庫 え 13-2)
(2009/04/20)
NHKトップランナー制作班

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【チャンスをつかみたい時】「きっかけ」は自分次第でいくらでも作れる!

「私は俯瞰で見るということを、とても大事にしているんですよ。作品だけじゃなくて、自分自身のこともそうです。たとえば、つらいとき、なぜそうなっているのか、そのときはわからないものです。でも、人生の中でという視点で振り返ってみれば、後になってみたらそのつらい経験もあれでよかったと思えることがありますよね。
だから、何かが起こったときにはその意味をすごく考えるようにしていて、このことはどういう意味のことになっていくのか、どういう意味があったのかをわかりたいと思っています。それを自分自身でも楽しみにしていて、作品の中にも生かされているんじゃないかという気がします」

ん~、やっぱり。

退屈だと思っている日常の中にも、面白いことはたくさん潜んでいる。退屈がっている自分をもユーモアに意味付けする、もう一人の自分の存在。これこそが「創造性」と深く結び付き、そして共感を生むんですね。。

その意味では『そういうふうにできている』は、妊娠という生命の神秘から、心と脳と魂の関係、はたまた「意識の客観性」と「創造性」との繋がり、などという大それた問題にまで発展する一冊。かといってそんな小難しい余計な詮索は抜きで大笑いできるドタバタまでもぜんぶごちゃ混ぜにされている。庶民派ミクスチャーとも言うべき、そのカオスティックな深層感がたまらない一冊なのです。

さくらももこさん他作品↓
ちびまる子ちゃん (1) (りぼんマスコットコミックス (413))ちびまる子ちゃん (1) (りぼんマスコットコミックス (413))
(1987/07)
さくら ももこ

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ももこの21世紀日記〈N’08〉ももこの21世紀日記〈N’08〉
(2009/03)
さくら ももこ

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個人的なおススメエッセイはこれ↓
ももこの世界あっちこっちめぐりももこの世界あっちこっちめぐり
(1997/06)
さくら ももこ

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ちびまる子ちゃんDS まるちゃんのまち | 2009.07.25
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