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『自分のなかに歴史をよむ』阿部 謹也 自分のなかの歴史を自覚する

「解る」とはどういうことか?

それは、自分の内面に呼応するものに自覚的になり、自分の奥底で納得すること。そしてそれによって行動が変わること。そんな「学問」の本質的な概念を、「自分」を通して理解できる一冊です。

自分のなかに歴史をよむ (ちくま文庫)自分のなかに歴史をよむ (ちくま文庫)
(2007/09/10)
阿部 謹也

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歴史研究家である筆者が、これまでの自らの幼少の頃からの体験を振り返り、現在の地点からそれらを歴史の時間のなかに自分なりに位置づけていきます。

この筆者の作業を読むことを通して、私たちは過去の膨大な時間が紡ぎだした人間の営みの集積、知の蓄積が、もともと自分にも内在していることに気づきます。

これに気づくことで、私たちは「学問」とは何かを知ることができます。

「学問」とは、自分に内在するものと呼応するものに自覚的に生きることなのです。
「解る」ということは上でも述べたように、自らの内奥で納得すること。呼応したものが腑に落ちることです。これを追い続けることが「学問」だともいえます。

筆者は、幼いころに何も知らずに読んでいた『ハーメルンの笛吹き』という童話に再び出会うことから、自らの長年の問題意識であった、「ヨーロッパの何が明らかになった時に、ヨーロッパが解ったといえることになるのだろうか」という問いの解明の手掛かりを得ます。

通常、歴史研究家は文献研究に限定され、童話やメルヘンなどはまともな歴史家が扱うものではないとされていました。しかし、自分が本当に面白いことをやろうという自分の内面に自覚的になり、歴史研究の手続きをメルヘンに応用して、そこから背景に潜む歴史を明らかにしていくのです。

このようにしてメルヘンや童話、寓話や音楽などからヨーロッパの人間の文化・文明の歴史を学びとること、更には日本人がヨーロッパの歴史を学ぶ意味を提示してくれています。

そしてそれはあくまでも筆者にとっての歴史学の範囲だけなのです。自分が関わっていないところを客観的にこうだ、とは決して言わない。自らが自らを通して理解した範囲だけを丁寧に述べていきます。

これこそ、自分に呼応するものに自覚的に生きること。つまり「学問」の姿勢です。

この本には自分という小宇宙のなかに、これまでの人類の歴史のありとあらゆる事象が内在されていることに気づく、新鮮な驚きがあります。そしてそれらと自分の関わりを探究する「自分のなかの歴史」への旅に出たくなる、「学問」への出発点となりうる一冊なのでした。高校生向けに書かれたということで、非常に読みやすく丁寧に書かれているのも印象的です。

近代化と世間―私が見たヨーロッパと日本 (朝日新書)近代化と世間―私が見たヨーロッパと日本 (朝日新書)
(2006/12)
阿部 謹也

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日本人の歴史意識―「世間」という視角から (岩波新書)日本人の歴史意識―「世間」という視角から (岩波新書)
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ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)
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