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『デザインの生態学―新しいデザインの教科書』後藤武・佐々木正人・深澤直人 「はまる」を「共有」する

思ったとおり「デザイン」と「キャリアカウンセリング」の根底は一緒。そんな確信を持った一冊でした。

デザインの生態学―新しいデザインの教科書デザインの生態学―新しいデザインの教科書
(2004/04)
後藤 武佐々木 正人

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今回あえて「キャリアカウンセリング」の観点から、デザインの構造を読み取りたいと考え、手に取りました。

「ほぼ日の就活論。」ユメとキボウの就活論。

金井 すべてを偶然に任せるんじゃなくて
キャリアのなかの「節目」だけは
自分でデザインしなければならない、
と思っているんですよ。
糸井 デザインというのは、つまり‥‥。
金井 選びとる、ということです。

この通りキャリアの節目にどういうデザインを施し、選びとるのか?これをサポートすることがキャリアカウンセリングの本質であると考えています。

そのためデザインの考え方、方法論を学ぶことで、「キャリアデザイン」の考え方をキャリアカウンセリングに適応させていきたいと考えているわけです。

こちらの一冊は生態心理学者の佐々木正人さん、プロダクトデザイナーの深澤直人さん、建築家の後藤武さんの三者のディスカッションを元に大きく3編に分けられた構造となっています。

ラストには付録としてデザインに深く関わってきた人々の名言と解説、ブックガイド、デザイン年表や分布図を掲載しており、デザインの個別領域に思考を行きわたらせることができます。そういう意味でデザインのプラットホームのような一冊です。

特にキャリアカウンセリングに応用できるものとして、深澤直人さんが中心となって進行される第2編の「デザイン・プラクシス」の章が興味深いように感じられました。行為の中にいかに思考を埋め込んでいけるかというデザインの在り方を解き明かしてくれる内容となっています。ここの部分はデザインうんぬんではなく、全てのことに応用が利く普遍的なものではないかと感じています。

■デザインとは「はまる」ものを探すことである

空間だかなんだかわからないところに何かがあるという前提でものを見始めるとそこに欠落した何かがある。そこに「はまる」ものが見えてくるのではないか。

ある行為を主観的にではなく、自分もそこに入れ込んだ環境自体を客観的に一歩離れた視点からみてみると、自分では意識していなかったけれども必ず行ってしまう無意識の行動があるんです。

例えば深澤さんの手がけたプロダクトが写真付きでいくつか紹介されていますが、このうち一番腑に落ちたものは、しゃもじが置けるようにデザインされた炊飯器。

自分を思い返すと、確かに自宅でご飯を盛る際に、しゃもじの適当な置き場がなくて、炊飯器の上部の取っ手の間に無理やり置いたりしてます。でもそうすると元々しゃもじを置くように設計されていないので、うまく重心をとるように置かなくちゃいけない。するとバランスが悪くて落ちたり、よくよく考えてみると衛生上あまりよくない…。

これって別に頭で考えてやってるわけじゃなくて、なぜか無意識にそんな行動をとってるんですよ。

この無意識の行動、人間のぎこちなさや淀みを意識化して形にしたものがデザインなんです。目の前にしゃもじ置き付き、といわれて出されると、あ~っナルホド!何でそれを思いつかなかったんだろう!というぐらいのちょっと無責任ともいえる感覚があります。

これと同じような無意識の行動は、実は日常生活の中に数限りなく存在しているんです。意識したことがないから気付かないだけで、「何かある」という視点で環境を観てみると、必ずある。

■「はまる」をキャリアカウンセリング置きかえると…

これをキャリアカウンセリングに置き換えて考えてみると、個人に内在する普段意識に上らない本当のキャリアの欲求がある。それを顕在化し、選択肢の幅を広げ、よりその人の志向性にそったチョイスをして頂くという、そんなイメージですね。

人は自分の置かれた環境、これまでの経験、能力など、意識に上るってくる主観的な材料だけでキャリアを決定しがちなんです。

でも実は無意識層の深い底に潜在化している本当の欲求がある。「無意識」なので無視しても無視したと気がつかないぐらいの本当の欲求。これこそがキャリアを決定するにあたって何よりも大事にしなくてはいけないもの。むしろこれこそが「自分自身」といっても過言ではない。

そこから見出される方向性は、今まで思いもよらなかった仕事の中身や職種かもしれないし、場合によっては企業に雇用されるという考え方そモノものが、違う場合もある。

大切なのは、自分がピタッと「はまる」感覚。思いもしなかったけど確かに自分が探し求めていたのはこれだ!ずっと前から自分はこれを知っていたけど、どうして思いつかなかったんだろう!というものを発見することです。

デザインに理由は必要ない。デザインの意味は発生するものである。人間を含む環境という入れ子の中に無限の意味が込められているし、人にはその人なりにその意味を捉えている。デザインの意味はそのものが環境化された時に浮きたってくる。

デザインの意味は作者の主観ではなくそのものを観ているたくさんの受け手が捉えているものであるべきだ。作者はそのたくさんの受け手の側にいて、その意味を皆と一緒に見ているのである。

こちら側からの押し付けではなく、あくまでも相手主体。その上で、対象から浮かび上がってくる方向性を捕まえて提示することであり、浮かび上がってきたものを相手側から一緒になってみているイメージも近い。

■最大のキーワードは「共有」

意味は意味として価値があるのではなく、それをともに見ているという、受け取っているという共有が価値をなすのだと思う。

対象の「はまる」ところをみつけて具現化するだけではない。むしろそれを同じ側に立って共有することこそに最大の意味があり、相手にとっての最大の承認欲求を満たす条件になる。

つまり、潜在する本当の姿を捕まえて、顕在化した本当の姿を相手の立場で「共有」することで、あなたはあなたでいいのだという相手への肯定的尊重のメッセージが生まれる。このことこそがデザインとキャリアカウンセリングの最も深い繋がりでなはないのかと気づきました。

この本はデザインという目に見えるクリエイティブに携わる人のみならず、カウンセリングや、むしろコンサルティングのような、目に見えないクリエイティブに携わる人にも応用が利きます。あらゆるクリエイティブに関するプラットフォーム的な一冊として常にそばに置いておくべき本じゃなかろうかと感じます。

付録で紹介されている本↓
生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る
(1986/03)
J.J.ギブソン古崎 敬

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(画像なし)

アフォーダンスの心理学―生態心理学への道アフォーダンスの心理学―生態心理学への道
(2000/11)
エドワード・S. リード佐々木 正人

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誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
(1990/02)
ドナルド・A. ノーマンD.A. ノーマン

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