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『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか‐アウトサイダーの時代』城 繁幸

自分自身、新卒の就職活動時期がちょうど就職氷河期ということと、新卒で入った会社をちょうどぴったり3年で辞めていること、そして今現在人材コンサルタントとして人の転職をサポートする仕事に従事していることもあり、労働・キャリア・離職・転職・モチベーション・人事制度・格差社会といったワードには非常に関心があります。

そういった中でこちらの本を読みましたので下にまとめてみました。

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))
(2008/03)
城 繁幸

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【セブン&ワイの内容紹介】

すでに平成二〇年。いまだに、多くの会社で、昭和の時代から続く風習や決まりごと、働き方が支配している。『若者はなぜ3年で辞めるのか?』でその状況を描いた著者が、辞めた後の、いわば「平成的な生き方」とは何なのかを指南する。“完全実力主義の企業で数千万円稼ぐ若者”“建築現場から人事部長に転身した若者”など、アウトサイダーたちの挑戦と本音が語られる。自分がいかに昭和的価値観にとらわれているか、そして、時代が本当に変わりつつあることを実感できる。



【目次】

第1章 キャリア編(「若者は、ただ上に従うこと」?大手流通企業から外資系生保に転職、年収が二〇倍になった彼「実力主義の会社は厳しく、終身雇用は安定しているということ」?新卒で、外資系投資銀行を選んだ理由「仕事の目的とは、出世であること」?大新聞社の文化部記者という生き方 ほか)

第2章 独立編(「失敗を恐れること」?大企業からNFLへ
「公私混同はしないこと」?サラリーマンからベストセラー作家になった山田真哉氏
「盆暮れ正月以外、お墓参りには行かないこと」?赤門から仏門へ、東大卒業後、出家した彼の人生 ほか)

第3章 新世代編(「新聞を読まない人間はバカであるということ」?情報のイニシアチブは、大衆に移りつつある「左翼は労働者の味方であるということ」?二一世紀の労働運動の目指すべき道とは)



【気になった部分】
■平成的価値観=多様性・主体性、昭和的価値観=年功序列・終身雇用

■アウトサイダーは自分自身の目指すものを自分自身の言葉で語ることができる

■日本は老いてしまった。この国に住む人間はもちろん、政治経済から教育に至るすべてのシステムが制度疲労を起こし、軋みをあげている。今の日本に必要なのは、既存の価値観に従う人間ではなく、それを乗り越えて進む破壊者だ。

■業績悪化やコスト削減という問題に直面した企業は、非正規労働者を使って人件費を調節することになる。これこそが格差問題の本質である。今の日本の雇用状況は「非」で区切られたダブルスタンダードである。これが存在し続ける以上、労働対価に市場原理は働かず、しわ寄せはすべて非正規労働者が被る。それは士農工商の封建制度だ。昭和的価値観の中にとどまる限り彼らは永遠に摂取され続ける存在でしかない。

■年功序列制度の本質とは、若いころに働きためた成果に対する報酬を、出世してから受け取るという点にある。優秀な社員は、20年後に部長や事業部長として出世させてもらえることで、人生の帳尻を合わせることになる。ところが困ったことに、こういったルールはあくまで暗黙の了解でしかない。将来本当に定期預金に利息を乗せて返してくれるかどうかは、あくまで企業の気分次第。

■フリーターや、中高年、女性といった属性に対して、日本企業は非常に冷たい。多くの日本企業はいまだに年齢給が健在であり、人の価値観は年齢で決まるためだ。このようにちょっと昭和的でない価値観から見ればまだまだ国内には潜在的な働き手が多い。いずれも他国では立派に戦力となっているような人々だ。まずは彼らに就職の機会を与えてやるべきだろう。

■学歴だけで一生が保障された時代は終わった。自分の進路を明確に定め、それに向けた教育的投資が重要となり、大学の果たす役割は極めて重大になる。その中でインターンシップは大いに活用すべき制度である。自分のキャリアを明確にするためにどんどん飛び込んでみるべきだ。

■年功序列システムは、実は一つの致命的な矛盾を含んでいる。それは「若者の権利を否定する一方で、その若者の力なしには生き延びられない」というものだ。その一点を突けばいい。つまり若者はわががままになるべきだ。それもとんでもなく自己中心的で反抗的な態度をとるといい。それが受け入れられないならば転職すればいい。

【感想】
こちらの本は昨年発売された『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』という2年前にベストセラーになった本の続編といえる内容となっております。

前作は題名の通り社会問題として問題視されていた、というか現在も問題視されている若年層の離職率の高さの原因について、それは年功序列制度と終身雇用という2点にあるということを問題提起したものです。今回の続編は、ここでいう年功序列・終身雇用つまり昭和的価値観に疑問を感じ、会社にしがみつく生き方を捨て、自分自身の生き方を選んだ人々がどのような道を歩んでいるのか、ということについて実在の方々にインタビューしつつ実例を提示し掘り下げたものとなります。

自分も就職氷河期の中やっとの思いで入った企業を、正に日本企業特有の会社のためにすべてをささげなさい、というような会社の体質に耐えられずにやめた人間なので、前作もそうでしたが今回も非常に共感でき、また改めて自分のキャリアについて考えさせられることとなりました。

私がこの本から感じたことをまとめると以下のようになります。

◇自己のキャリアについての考え方
■自分自身においてはとにかく今後やりたいこと・好きなことを明確にし自己投資を怠らないこと。いつ首を切られてもすぐに他からお呼びがかかるようにスキルを磨いておく必要性
■普段の仕事の中で会社から経験・スキルを「盗む」意識を持つこと
■今の日本の労働環境は幕末によく似ている。昭和的価値観が幕府、平成的価値観が明治維新。昭和的価値観のままでは徳川幕府のお偉いさんのように新しい時代では何の価値もない人材になり下がる。革命者の側でなければならない。

◇今後の労働環境の改善について
■今後の若年層の人口の減少による労働力の低下への対策としては「女性」「フリーター」を積極的に活用することである。そのための企業の経営陣の理解と、制度の整備が急務である。
■企業は新卒採用において現在「売り手市場」だからこそ、学生にただ媚を売るのではなく、その企業に入ってどのようなキャリアが描けるのか、を明確に示すことが重要である。
■学生に対する自分自身のキャリアの意識を持たせる教育の重要性=インターンの有効活用
■成果主義、能力評価制度は確かに若者が働く上での一つの前提となるが、場合によっては成果主義を嵩にかけて成果の上がらない原因を下に押し付ける場合もあるので要注意。いずれにしてもボトムアップでどんどん意見を言っていくこと。そのために普段から社長や部長になったつもりで自分ならどうするか?という思考で建設的な意見を言えるように考えておく。

◇今後の自分の方向性
■我々は今よりもっとわがままにならなければならない。会社が年功序列制度にしがみつくなら辞めてやればいい。それで瓦解してしまうのは会社のほうなのだから。
■人事担当として労働環境の改善に取り組んでいきたいということ。また企業にとっての人材の有効活用を促進していきたいということ → 女性の働きやすい環境づくり、ライフワークバランスの確立などなど
■できれば学生のキャリアの意識づけに関わっていきたい → 自分が学生の頃はキャリアの自覚もないまさに昭和的価値観にがっちり凝り固まった人間だったので、社会に出て愕然としてしまったこと。それによる時間のロスに対する後悔の気持ちがあるので。

昭和的価値観をすて、平成的価値観を生きる人々の現状をいくつもの例を取り上げているため、視点の幅が広く、自分が感じた視点も多くなってしまって少しとっちらかってしまいましたがこのような感じです。

今、私は転職をサポートしているわけですが、当然企業はお金を払って人を採用するのでどうしても優秀な人を採りたいというのは当たり前のことですが、上でも述べているようにハナから派遣でキャリアを積んできた女性や、フリーター、そして未だに学歴というところで、切り捨ててしまうような現状があります。私たちも当然営業なわけですから数字を求められる現状があり、より優秀な人に時間を割いてしまう中でやはり切り捨ててしまうような行動をとってしまいがちです。

当初はこのようないわゆる弱物の味方になりたいという思いで始めた仕事でしたが、いつしかそうではなくなっていた自分に今までは目をそむけていましたが、やはりそうだったんだと改めて気付かざるおえませんでした。

今このような葛藤の中で自分が本当にやりたいことは何だったのか?ということを転職を視野に入れながら模索しています。周囲にもフリーターや派遣で就業する知り合いはたくさんいます。そういった身近にある問題の改善をしつつ、企業にとっても本当に志向性の合う人材の獲得を通じて日本の労働力の低下の防止、ひいては底上げに従事していきたいと自分の思考を整理することができました。

また「平成的価値観」というものに対してはもちろん同意ですが、業種、職務内容によっては成果主義と年功序列制度のバランスが必要になってくるものもあります。極端なインセンティブ制にしてしまうと社員の生活を守れないという危険性も出てきます。現に今勤めている会社はまさに極端なインセンティブ制であり当初そこに惹かれて入社したのですが、制度だけは先を行っていても経営陣の考え方が古く全てトップダウン、しかし動きが遅い、という問題から生じる成果が上がらない現状を全て現場に押し付けられてしまうという状況です。

成果主義とはつまり個人個人が自分報酬に対して自分が責任を持つ以上、企業とはギブアンドテイクの関係でないといけません。つまり導入する経営側もどんどんボトムアップで意見を吸い上げる、風通しのいい環境を用意する必要性もあります。成果主義とはこれと一体のものでないといけないと考えています。

そういったいろんな意味でのバランスというのは今後模索していく必要性がありますが、私個人としてはそのような問題に取り組んでいきたいと漠然と考えていた思考にヒントが得られた本でした。

今という時代を生きていく中で現在の労働環境における自分の立ち位置が俯瞰的に確認できる内容かと思いますので、私と同年代の就職氷河期を経験した20代後半から30代前半の方、またそれよりも若手の社会人のみなさん、学生たちにはぜひ読んでおいてもらいたい一冊です。また前作も併せて読むことをお勧めします。

前作↓
若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)
(2006/09/15)
城 繁幸

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また今という時代を生きていくための方法の提案や考え方の提示として似ていると感じたのがこちらの本です。本書が「労働格差社会」という視点なのに対し、こちらはITが発達した「ウェブ時代」という視点になります。根本では非常に共通点が多いなと感じましたのでこちらも併せてどうぞ。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)
(2007/11/06)
梅田 望夫

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